会社法と会社設立
会社法の施行により大幅に見直された会社制度等についての解説です。
1.会社法による改正点 |
2.株式会社の設立手続はどう変わった? |
3.特例有限会社とは? |
4.合同会社(LLC)とは? |
会社法による改正点
法律施行から3年以上が経過し、今では定着感も出てきたこの会社法は、それまで「商法」「有限会社法」など会社に関する規定が、いくつかの法律に分散されていたものを一本化し、ひらがな表記の新たな条文に再構成した法律です。
もちろん、条文の現代語化だけでなく、実質的な面でも現代社会にマッチした中身にするため、制度の大幅な見直しが行われました。
会社法での改正点の主な例
- 株式会社と有限会社の制度の統合
- 最低資本金制度の廃止
- 機関設計の柔軟化
- 事業の承継に活用できる株式制度の拡充
- 会計参与制度の導入
- 会計監査人の任意設置の範囲の拡大
- 組織再編制度に係る規制の見直し
- 株主に対する利益還元方法の見直し
- 取締役の責任に関する規定の見直し
- 新株予約権・社債制度の改善
- 株主代表訴訟制度の合理化
- 合同会社制度の新設
特に、会社設立に関する諸規定が大幅に見直しされ、これまでよりもはるかに緩やかな要件で会社を立ち上げることができるようになったため、敷居の高かった法人形態でのビジネスがより身近なものとなりました。
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株式会社の設立手続はどう変わった?
会社法で株式会社設立の手続が大幅に簡略化された背景には、日本での新規起業者の数よりも事業をやめる、つまり廃業者の数が長く上回り続けていたという深刻な事実があります。
そうした状態が長く続くことで経済活動が停滞したり、消極化してしまうことが心配されたことから、経済活動がもっと活発になるように、まず創業者を支援するための制度が必要となったわけです。
株式会社の以前の設立手順
- 商号、目的、本店所在地を決定
- 類似商号の調査
- 代表印の作成
- 定款・議事録の作成(役員や発行株式総数などを決定)
- 公証人の定款認証
- 金融機関への資本金払込保管証明書の取得
- 設立の登記
- 登記完了後、会社の登記簿・印鑑証明書を払込金融機関に提出
- 税務署等諸官庁への各種届出
このうち、新・会社法では、、、
2.について、類似商号調査の必要がなくなりました。
4.について、最低資本金制度が廃止になりました。
6.について、発起設立の場合は残高証明書等でも可能になりました。
8.について、残高証明書で手続きをしていれば不要となりました。
創業時の負担を極力取り除くことが重視された結果、法改正後は起業を志す多くの方にとって、ビジネスチャンスを活かしやすい環境となったことは確かなようです。
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特例有限会社とは?
会社法施行後、新たな有限会社の設立をすることはできなくなりました。
これは、最低資本金の撤廃や会社機関設計の柔軟化などによって、株式会社と有限会社の違いがほとんどなくなってしまったことから、有限会社の制度を残す必要がなくなってしまったことが理由です。
そのため、現存する有限会社も実は、法律上は株式会社ということになっているのです。
ただし、これまでの制度による規律を維持できるようにし、商号は有限会社の名称を名乗ることとされたため、正式には「特例有限会社」という名称で通常の株式会社とは、扱いが区別されています。
特例有限会社は、当面制度が廃止になるなどの予定はありませんので、そのままの形体で今後も事業を続けることは可能です。
その一方で、通常の株式会社に組織替えをするという選択肢もあります。
この場合、定款変更の手続と商号変更による株式会社設立及び特例有限会社解散の登記手続きをすることによっていつでも移行が可能です。
ただし、もちろんメリット・デメリットがありますし、何より一度株式会社に移行してしまうと、その後特例有限会社に戻ることはできなくなってしまいますので、やはり慎重に検討していただくべきかと思います。
特例有限会社から株式会社への移行手続代行サービスについて、お気軽にお問合せください。
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合同会社(LLC)とは?
会社の類型には、おなじみの株式会社や有限会社のほかに、なじみが薄いかもしれませんが、「合名会社」と「合資会社」という形態があります。
これを会社の性質によって分類しますと、次のように2つのグループに分けられます。
株式会社・有限会社
- 物的会社=社員と会社の関係が希薄
- 社員の個性はあまり重視されない
- 対外的な信用は会社の財産におかれる
- 社員は有限責任しか負わない
合名会社・合資会社
- 人的会社=社員と会社の関係が密接
- 社員の個性が重視される
- 対外的な信用は社員自身におかれる
- 合名会社は無限責任社員のみから、合資会社は無限責任社員と有限責任社員からなる
会社法では、2つ目のグループに新たな種類の「合同会社」を加えて「持分会社」と呼ぶことになり、株式会社(有限会社は廃止)と区別した規定を設けています。
この合同会社は、アメリカのLLC(Limited Liability Company)を参考としているため、「日本版LLC」とも呼ばれ、特にジョイントベンチャーなどの分野での活用に適した新制度となっています。
合同会社の主な特徴としては、、、
- @ 有限責任制
- 出資者(社員)は株式会社の株主と同様、出資額以上の責任を負わない。
- A 内部自治原則
- 会社内部の規律は、合名会社や合資会社同様、出資額に影響されない。また、取締役会や監査役などの機関を設置する必要はない。
- B 社員の数
- 1名から認められる。
- C 重要事項の決定
- 社員の入社、持分の譲渡、会社設立後の定款変更は、原則として出資者全員の一致を要する。
- D 業務執行
- 各社員が原則として業務執行権限を持つ。但し、定款で一部の社員のみを業務執行社員と定めることもできる。
- E 決算書類
- 貸借対照表、損益計算書、社員持分変動計算書などの作成が必要。
などの制度がありますが、基本的には出資者の個性を重視したしくみになっているという点が一番の特徴といえそうです。
合同会社の設立は、株式会社と比べて、設立費用や手続を少なく抑えられたりなどのメリットもたしかにありますが、ビジネスの世界においてまだまだ定着しきれていないという新制度ならではのデメリットもあります。
これから、合同会社の設立をお考えの方は、そうした良し悪しの部分を十分に考慮の上、株式会社での設立と比較検討されてみるとよいかと思います。
合同会社設立代行サービスについて、お気軽にお問合せください。
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